第22章 お見舞い
でも、ユカリは首を横に振った。
「出久くんのおかげで、凛はもう一度ヒーローを目指せる」
「出久くんが諦めなかったから」
「ちゃんと向き合ってくれたから」
「だから本当に感謝してる」
ユカリは柔らかく微笑んだ。
「ありがとう」
朝日に照らされたその笑顔。
出久は言葉を失う。
顔が少し赤くなる。
「そ、そんな……僕はただ……」
何か言おうとして、結局言葉にならない。
だって。
あの時、自分がしたことは。
凛に怒鳴られて。
何度も否定されて。
それでも諦めなかっただけだ。
でも、その結果。
凛がまた前を向けた。
ユカリがこんなにも嬉しそうに笑っている。
それが。
出久には何より嬉しかった。
「……僕も」
小さく呟く。
「八神くんがまたヒーローを目指してくれて、嬉しいです」
ユカリは笑顔で「うん」と頷く。
そして二人はまた前を向いて歩き出した。