• テキストサイズ

【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第22章 お見舞い




***


目を覚ます。

部屋は静かだった。

窓の外はもう真っ暗。

ユカリはぼんやり時計を見る。

午後9時。

「……わ」

思ったより寝てた。

身体はかなり軽い。

熱もほとんど下がっている。

もう大丈夫そう。

ユカリはゆっくりベッドから降りた。

部屋を出る。

共同リビングへ向かうと、灯りがついていた。

ソファ。

そこにいたのは環。

静かに本を読んでいる。

いつもの光景。

ユカリはなんだか安心して、向かいのソファへ座った。

環はページをめくる手を止める。

一度だけユカリを見る。

そしてまた本へ視線を戻した。

「……もう大丈夫なの」

静かな声。

ユカリは頷く。

「うん、ほとんど元気」 

それから思い出したように聞く。

「あ、凛から連絡あった?」

環は短く答えた。

「あった。アメリカ最高って」

ユカリは思わず吹き出す。

「同じだ」

絶対テンプレ。

でも。

その短い言葉の裏に、凛らしさが詰まってる気がして。

ユカリは少し笑った。

静かな時間。

他には誰もいない。

環は本を閉じる。

そしてぽつり。

「……爆豪、夜九時ギリギリまでいた」  

ユカリは驚く。 

「え?」

「門限あるのに、ずっと様子見てた」

「熱また上がったらどうするとか言って」

ユカリの顔が少し赤くなる。

環はそれを見ながら続ける。 

「帰る時、“起きたら水飲ませろ”って」

「………」

完全に保護者。

ユカリは困ったように笑った。

でも。

胸の奥があたたかい。

環はそんなユカリを見ながら思う。 

……変わったな。

少し前まで。

ユカリは誰に対しても同じ距離感だった。

優しくて。

柔らかくて。

でも。

最近は違う。

爆豪と話す時。

ほんの少しだけ。

特別な顔をする。

それにユカリが気付いてるのかどうかは。

わからないけど。

環は静かに視線を落とした。

そして小さく言う。

「……そろそろちゃんと考えた方がいい」

「え?」

「自分の気持ち」 

ユカリは目を瞬かせる。

リビングの空気が静かに揺れた。



/ 252ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp