第22章 お見舞い
「……ごちそうさまでした」
ユカリが食べ終える。
空になった器。
ちゃんと完食してる。
爆豪はそれを確認すると、無言で立ち上がった。
すぐお盆を持つ手際の良さ。
それを見てユカリが慌てて言う。
「も、持ってくよ」
「いい。寝てろ」
有無を言わせない声。
ユカリは「う……」と引き下がるしかない。
爆豪はそのままドアへ向かう。
ガチャ。
扉を開けた瞬間。
「「「…………」」」
目の前にいた。
通形ミリオ。波動ねじれ。天喰環。
綺麗に並んでる。
完全に盗み聞き。
爆豪、数秒停止。
そして。
「……チッ」
盛大な舌打ち。
ミリオが爽やかに言う。
「いやぁ〜!青春っていいよね!!」
「うるせェ」
ねじれはくすくす笑ってる。
「爆豪くんほんと優しい〜!」
環は視線逸らしてる。
たぶん止めたけど止まらなかった。
爆豪は無言でミリオの頭を掴む。
「痛い痛い痛い!!」
「来い」
そのまま。
お盆と一緒に。
3人まとめて連行していった。
廊下の向こうから。
「ぎゃー!!」
「天喰くん助けて〜!」
「……無理」
騒がしい声が遠ざかっていく。
静かになった部屋。
ユカリは思わず笑ってしまう。
それから。
ベッドへ戻り、スマホを手に取った。
通知。
送信者。八神凛。
短いメッセージ。
『アメリカ最高』
ユカリはふっと笑う。
絶対強がり。
でも、元気そうで安心した。
ユカリは画面を見つめながら、小さく返信を打つ。
『応援してるよ、凛』
送信。
その文字を見て。
ユカリはぼんやり思う。
きっと次に会う時。
凛はもっと強くなってる。
だから自分も負けてられないな。
そんなことを考えながら。
ユカリは静かに目を閉じた。