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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第22章 お見舞い




「……飯、食えるか」

椅子に座ったまま爆豪が聞く。

ユカリは布団に埋まりながら、弱々しく答えた。

「どうだろう……」

熱のせいで食欲がない。

頭もぼんやりする。

爆豪は少し考えてから言った。

「……お粥食う?」

ユカリがぱち、と目を開ける。

「お粥?あるの?」

「ある」

短い返事。

でも、次に視線を向けた先。

机の上に置かれていた保温ポット。

それを見てユカリは数秒固まる。

「え、まさか……」

「寮のキッチン借りた」

さらっと言う。

まるで当然みたいに。

ユカリは完全に驚く。

爆豪くん、家庭的すぎる。

しかも絶対手際いい。

容易に想像できる。

爆豪は立ち上がると、慣れた手つきでお粥をよそう。

湯気。

優しい匂い。

「……起きれっか?」 

「ちょっとむり……」

熱で身体が重い。

すると。

爆豪が盛大に眉をしかめた。

「はぁ……」

完全に呆れ顔。

でも、そのままベッド横に座る。

スプーンですくう。

ふー、と少し冷ます。

そして。

「口開けろ」

ユカリ、思考停止。

「……え」

「冷めるだろ」

圧。

逆らえない。

ユカリはおそるおそる口を開ける。

ぱく。

優しい味。

熱で弱った身体にじんわり染みる。

「……おいしい」

爆豪はふん、と鼻を鳴らす。

「当たり前だ」

また一口。

そのまま二口。

食べやすい。

ちゃんと味も薄め。

絶対ユカリ用に調整してる。

ユカリはぼんやり思う。

なんでこんな慣れてるんだろう。

爆豪はユカリがちゃんと食べてるのを確認しながら、静かに言った。

「……ったく。世話焼かせんな」

でも。

その声はどこか安心したみたいだった。

ユカリは少し笑う。

「爆豪くんって、お母さんみたい」

数秒。

沈黙。

次の瞬間。

「はぁ!?!?」

爆豪、ブチ切れ。

「誰が母ちゃんだ!!」

でも。

怒鳴りながらも。

ちゃんと次の一口を冷ましてくれるあたり。

やっぱり優しかった。


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