• テキストサイズ

【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第22章 お見舞い




***


静かな部屋。

カーテンは閉められ、外の光も薄暗い。

時計の音だけが小さく響く。 

ベッドの中。

ユカリは熱にうなされていた。

頭が重い。

体もだるい。

ぼんやりする意識。

夢を見ている気がする。

誰かがいる。

近くで。

でも、誰だかわからない。

懐かしいような。

安心するような。

そんな感覚だけが残る。

その時。

ふいに額へ触れる手。

少し冷たい。

気持ちいい。

ユカリはうっすら眉を寄せる。

「あち……」

低い声。

聞き慣れた、ぶっきらぼうな声。

それから。

「無理ばっかしやがって」

小さな舌打ち。

その声に、ユカリの意識がゆっくり浮上する。

重いまぶたを開ける。

ぼやける視界。

でも。

少しずつ焦点が合う。

目の前。

椅子に座っていたのは。

爆豪。

ユカリ、数秒停止。

「……ぇ」

夢?

なんで?

爆豪くん?

爆豪は腕を組んだまま、じろっと睨む。

「やっと起きたか」

本物だ。

ユカリ、完全に混乱。

「ば、爆豪くん……?夢……?」

「熱で頭湧いてんのか」

即答。

でも、その声はいつもより少しだけ低くて静かだった。

ユカリはまだぼんやりしている。

「なんで……?」

爆豪は面倒そうに息を吐く。

「見舞い」

「……え」

「昼休みだ」

机の上を見る。

スポドリ。

ゼリー。

薬。

あと何故か大量のおにぎり。

絶対爆豪チョイス。

ユカリはまた爆豪を見る。

「……心配かけんなボケ」

爆豪は視線を逸らした。

その言葉。

怒ってるみたいなのに。

どこか優しい。

熱でぼんやりした頭のまま、ユカリは少し笑ってしまう。

「……ありがと」

/ 252ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp