第22章 お見舞い
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静かな部屋。
カーテンは閉められ、外の光も薄暗い。
時計の音だけが小さく響く。
ベッドの中。
ユカリは熱にうなされていた。
頭が重い。
体もだるい。
ぼんやりする意識。
夢を見ている気がする。
誰かがいる。
近くで。
でも、誰だかわからない。
懐かしいような。
安心するような。
そんな感覚だけが残る。
その時。
ふいに額へ触れる手。
少し冷たい。
気持ちいい。
ユカリはうっすら眉を寄せる。
「あち……」
低い声。
聞き慣れた、ぶっきらぼうな声。
それから。
「無理ばっかしやがって」
小さな舌打ち。
その声に、ユカリの意識がゆっくり浮上する。
重いまぶたを開ける。
ぼやける視界。
でも。
少しずつ焦点が合う。
目の前。
椅子に座っていたのは。
爆豪。
ユカリ、数秒停止。
「……ぇ」
夢?
なんで?
爆豪くん?
爆豪は腕を組んだまま、じろっと睨む。
「やっと起きたか」
本物だ。
ユカリ、完全に混乱。
「ば、爆豪くん……?夢……?」
「熱で頭湧いてんのか」
即答。
でも、その声はいつもより少しだけ低くて静かだった。
ユカリはまだぼんやりしている。
「なんで……?」
爆豪は面倒そうに息を吐く。
「見舞い」
「……え」
「昼休みだ」
机の上を見る。
スポドリ。
ゼリー。
薬。
あと何故か大量のおにぎり。
絶対爆豪チョイス。
ユカリはまた爆豪を見る。
「……心配かけんなボケ」
爆豪は視線を逸らした。
その言葉。
怒ってるみたいなのに。
どこか優しい。
熱でぼんやりした頭のまま、ユカリは少し笑ってしまう。
「……ありがと」