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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第21章 転入生



***

モニタールーム。

さっきまで誰も言葉を発せなかった。

静まり返っていた空間。

でも。

『八神、脱落』

あのアナウンス以降。

少しずつ空気が戻り始める。

「まさか緑谷くんが……」

「凛くん自分から……?」

ねじれもミリオもまだ驚いていた。

環だけは静かにモニターを見つめている。

そして。

しばらくして。

モニタールームの扉が開いた。

入ってきたのは出久と凛。

二人ともボロボロだ。

次の瞬間、二人の視線が止まる。

「……え」

モニタールームにいるユカリを見て出久は驚く。

凛も一瞬目を見開く。

「なんで先輩いるんですか!?!?」

出久が大混乱する中、ミリオが笑った。

「観戦組〜!からのアドバイス係!」

「そうなんですか!?」

一方。

凛は少し黙ったあと。

ゆっくりユカリへ近づく。

「……ユカリ」

ユカリが顔を上げる。

凛は右肩付近の裂傷を見せた。

「この傷、治せる?」

ユカリはすぐ頷く。

「うん、治せる。座って」

その声は優しい。

凛は静かに椅子へ座った。

ユカリがそっと傷へ触れる。

淡い光。

ゆっくり傷が塞がっていく。

その様子をみんなが見ていた。

でも。

誰も茶化さない。

誰も口を挟まない。

だって。

気になっている。

この二人がどうなるのか。


凛はしばらく黙っていた。

やがて。

ユカリがぽつりと言った。

「……ごめんね」

治療の手が少し止まる。

「何も知らなくて」

その声はいつもより小さくて。

凛は少しだけ笑う。

自嘲みたいな笑い。

「隠してたんだから知るわけない」

静かな声。

ユカリは何も言えない。

凛は天井を見ながら続けた。

「ユカリを連れて帰るとか格好つけて……本当バカみてぇ」

その言葉。

苦しくて。

でも。

どこか吹っ切れた響きもあった。

ユカリは傷を治しながら静かに言う。

「バカじゃないよ」

凛が目を向ける。

ユカリは少し困ったように笑った。

「凛、昔からずっと頑張ってたんだね」

その瞬間。

凛の目が揺れる。

まるで。

幼稚園の頃みたいに。

真っ直ぐ見てくるその優しさが。

痛いくらい胸に刺さった。



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