第21章 転入生
凛はゆっくり顔を上げた。
目の前には。
ボロボロになりながらも立つ出久。
凛は少しだけ笑った。
諦めたような。
でも。
どこか吹っ切れた顔で。
そして。
自分の腕を見る。
アームバンド。
ポイント表示。
凛はそれを外した。
出久が目を見開く。
「……え?」
次の瞬間。
凛はアームバンドを出久へ投げた。
「やる」
「ええっ!?!?」
出久、混乱。
凛は静かに言う。
「今回は俺の負けだ。でも―――」
その目はもう死んでいなかった。
真っ直ぐ。
強い目。
「次は必ず勝つ」
出久は言葉を失う。
「八神くん……」
その時。
USJ全体にアナウンスが響いた。
『八神、脱落』
その声。
別エリア、瓦礫地帯。
爆豪が目を見開く。
「……は?」
予想外。
まさか凛が落ちるとは思ってなかった。
一方。
轟焦凍は静かに目を伏せた。
何かを察したように。
そして。
無情に告げられる。
『タイムアップだ』
全員が動きを止める。
相澤の声が続く。
『現時点で残ってるのは爆豪、轟、緑谷』
『それぞれの最終持ち点で順位をつける』
『各自モニタールームに移動しろ』
『以上』
ブツッ。
通信が切れる。
静寂。
凛はその場で空を見上げた。
そして。
小さく息を吐く。
「……まだ、終われねぇな」
その呟きは。
どこか前を向いていた。