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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第21章 転入生




激突。

衝撃。

瓦礫が宙を舞う。

出久は息を荒げながら、それでも凛を見据えていた。

身体は限界に近い。

ポイントも少ない。

それでも。

言葉を止めない。

「確かに……八神くんのことを僕はよく知らない」

凛の目が鋭くなる。

出久は続ける。

「でも、この一ヶ月でわかったことがあるんだ」

凛が踏み込む。

拳。

出久はギリギリで避ける。

「君は――」



『お前、伸びるタイプだから』

『え?』

『合わせやすい』



息を切らしながら。

それでも。

真っ直ぐ。


「自分が気付いてないだけで、本当はもっとずっと優しい人だ……!」


その瞬間。

凛の表情が歪んだ。

「……黙れ」

低い声。

だが。

出久は止まらない。

「だから最初から、ユカリ先輩を連れて帰る気なんてなかった」

空気が凍る。

凛の動きが爆発的に速くなる。

ドォン!!

壁が砕ける。

「黙れ!!」

怒声。

攻撃が荒い。

今までの冷静さが崩れ始める。

出久は押されながらも叫び続ける。

「ユカリ先輩の気持ちに、君は早くから気付いてた!」

「だから距離を取ってたんだ!」

「ずっと大事にしてた!」

凛の蹴り。

出久は腕で受ける。

衝撃。

骨が軋む。

それでも。

出久は叫ぶ。


「君が日本に来たのは――!!」


凛が目を見開く。

出久の声が響く。


「ヒーローを諦めてしまう前に!!」

「ユカリ先輩に、もう一度会いたかったからじゃないのか!!!」











その瞬間。


凛の動きが止まった。


ほんの一瞬。


でも。


確かに。


止まった。


モニタールーム。

静まり返る。

誰も声を出せない。

ユカリはモニターを見つめたまま固まっていた。

凛。

その名前を。

ずっと心の中で呼んでいる。

画面の向こう。

凛は俯いている。

表情が見えない。

拳だけが震えていた。

そして。

ぽつり。

掠れた声。


「……うるせぇ」


怒りなのか。

悲しみなのか。

自分でもわからないような声だった。


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