第21章 転入生
凛は低く言った。
「全力も出さねぇでなめてんのか」
出久が目を見開く。
「そんなわけないじゃないか……!」
「じゃあ何だよ」
凛の声が鋭くなる。
「右を攻撃しないって縛りでも自分にかけてんのか?」
その瞬間、凛が一気に踏み込んだ。
速い。
出久は避けきれない。
ドッ!!
真正面から衝撃を受ける。
派手に吹き飛んで、瓦礫へ叩きつけられる出久。
ポイントがさらに減少。
モニタールームが息を呑む。
ユカリも思わず立ち上がりかける。
出久は苦しそうに息を吐きながら、それでも顔を上げた。
そして。
凛を見る。
真っ直ぐ。
「何でって……」
息が乱れる。
でも。
その声だけは強かった。
「そんなの決まってるじゃないか……!」
凛の目がわずかに揺れる。
出久は拳を握る。
「君に――」
「ヒーローになってもらいたいからだ……!!」
静寂。
その言葉が。
崩れた空間に響いた。