第21章 転入生
***
モニタールーム。
巨大モニターが並ぶ静かな空間。
そこへ入ってきた相澤は、すでに待っていた四人へ視線を向けた。
ミリオ。
ねじれ。
環。
そしてユカリ。
相澤は軽く肩を竦める。
「悪いな、来てもらって」
すると、ミリオがすぐ笑った。
「いやぁ全然!それにしても懐かしいなぁ〜これ!」
モニターにはすでにUSJ内部の映像。
1年A組が散開していく様子が映っている。
ねじれも目を輝かせた。
「うわ〜!みんな若い〜!私たちもこんな感じだったよね!」
「いや今も高校生だから若いんだけど……」
環は小声で指摘する。
実は今回、相澤から頼まれていた。
“訓練後、1年A組へアドバイスをしてほしい”。
インターン経験も積んだ三年生。
特にビッグ3の視点は貴重だ。
そして。
ユカリにも理由がある。
戦闘能力だけじゃなく。
“救助者を見る目”。
それを相澤は評価していた。
ユカリはモニターを見つめながら少しそわそわしていた。
「……なんか緊張する。見られる側じゃなくて、見る側って変な感じ」
ミリオが笑う。
「わかる!でも楽しみじゃない?爆豪くんたちめちゃくちゃ気合い入ってたし!」
その言葉に、ユカリは少しだけ表情を和らげる。
画面には。
すでに別行動を始めている爆豪、轟、凛。
相澤もモニターを見ながら呟く。
「まあ……荒れるだろうな」
「絶対荒れる〜!」
ねじれ、楽しそう。
環は静かに頭を抱えていた。
「……怪我しないでほしい」
その時。
モニターの一つに映る。
爆豪。
単独で瓦礫地帯を進行。
別モニター。
轟。
周囲を冷静に観察しながら移動。
さらに凛。
救助者を最短で避難させながらポイントを稼いでいる。
ミリオが感心した。
「うわ、凛くんうまいね!ちゃんと救助優先してる!」
相澤も静かに頷く。
「視野が広い。しかも無駄がない」
ユカリはモニターを見つめながら少しだけ息を吐いた。
爆豪。轟。凛。
三人とも本気だ。
だからこそ。
胸が少し苦しくなる。
最終日。
この一時間が。
たぶん色んな意味で、大事な時間になる。