第21章 転入生
たぶん。
それぞれ思うところがある。
ユカリ。
その存在が少なからず全員の中にある。
だから余計に危うい。
環はスマホを見つめる。
するとまた通知。
【爆豪:半分野郎は氷ばっか使ってねェでちゃんと来い】
【轟:お前こそ単独突撃やめろ】
【凛:二人とも視野狭い】
【爆豪:あ?】
【轟:言うな】
【凛:事実】
でも。
少しだけ思う。
なんだかんだこの三人。
ちゃんと互いを見てる。
認めてる。
だからこそ張り合う。
そこだけは嫌いじゃなかった。
すると。
ふと。
環の脳裏にユカリの顔が浮かぶ。
たぶん今頃。
この三人がこんな空気になってるなんて知らない。
いや、なんとなく察してるかもしれない。
環は小さく息を吐いた。
「……頼むから怪我だけはするなよ」
誰に向けたかわからない独り言。
その時。
【凛:環兄】
嫌な予感。
【環:……なに】
【凛:誰が勝つと思う】
【環:知らない】
【爆豪:逃げんな】
【轟:答えてください】
【凛:環兄】
圧。
環は数秒悩んで打った。
【環:……ユカリが一番嫌がる戦い方したやつが負ける】
既読。
静かになる。
その言葉は。
少しだけ三人の熱を冷ましたのだった。