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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第21章 転入生




***

その夜。

部屋には静かな空気が流れていた。

ベッドの上。

ユカリは古いアルバムを膝の上に置いている。

実家から持ってきていた幼稚園時代のアルバム。

少し色褪せた表紙を開く。

そこには小さな自分たち。

笑ってる。

走ってる。

泣いてる。

無邪気な時間。

ページをめくるたび。

懐かしさが胸に広がっていく。

そして。

その中にはちゃんといた。

八神凛。

「……あ」

思わず小さく声が漏れる。

なんで今まで忘れてたんだろう。

そう思うくらい。

凛はたくさん写真の中にいた。

少し不機嫌そうな顔。

すました顔。

でも。

ユカリの隣にいる写真が多い。

ページをめくる。

すると。

ぼんやりと記憶が蘇る。

園バス。

小さな座席。

「ユカリ、こっち」

いつも凛が隣を取っていた。

ユカリも自然にそこへ座っていた。

また別の記憶。

幼稚園の庭。

夕方。

小さな凛が真面目な顔で言った。

『ユカリ、おれ、ヒーローになる』

『それで、ずっとユカリをまもる』

幼い声。

真っ直ぐな目。

ユカリはその時のことを思い出して、ふっと笑った。

「……かわいい」

今の凛からは想像つかないくらい小さかった。

でも。

根っこの部分は変わってないのかもしれない。

守る。

迎えに来る。

真っ直ぐ。

昔からずっと。

ユカリは写真を指でなぞる。

そこには。

小さな凛が得意げな顔で写っている。

隣には自分。

そして。

少し離れた場所には小さな環。

そういえば。

凛はいつも自分にくっついていたけど。

環は少し後ろから見てることが多かったな、とユカリは思い出す。

優しかった。

昔から。

ふふ、とまた笑う。

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