第21章 転入生
でも、凛は少し違った。
もちろん嫌じゃない。
大切。
嬉しい。
昔を覚えててくれたことも。
真っ直ぐ来てくれることも。
だけど。
時々ふと思う。
――あれ?
これって恋愛、なのかな。
凛を見ていると時々感じるのは。
“弟”みたいな感覚だった。
放っておけない。
可愛い。
昔から知ってる子を見てるみたいな。
それは恋というより。
もっと近くて。
もっと穏やかな。
家族愛みたいな感情。
ユカリは自分の心に気付き始めていた。
「……ユカリ?」
ミリオの声で我に返る。
「えっ?」
「大丈夫?」
「あ、うん!」
慌てて笑う。
だが、長年一緒にいる三人には少し伝わる。
ねじれが首を傾げた。
「なんか考え込んでた〜?」
ユカリは少しだけ迷って。
それから小さく笑った。
「……私、自分の気持ちちゃんと考えないとだめだなぁって」
静かな声。
環はその言葉を聞いて、少しだけ目を伏せた。
たぶん。
ユカリはちゃんと向き合おうとしてる。
誰に流されるでもなく。
ちゃんと自分で選ぼうとしてる。
それがユカリらしかった。
するとミリオがにこっと笑う。
「ゆっくりでいいんじゃない?ユカリ、真面目だから考えすぎそうだし!」
ねじれも頷く。
「そうそう!だってみんな本気なんだもんね〜!」
環は小さくため息。
「……あんまり考えすぎないで」
「うん。みんなありがとう」
ユカリは苦笑いした。
でも。
その頬は少しだけ赤かった。