第21章 転入生
轟が静かに送る。
【轟:天喰先輩、小さい頃からユカリ先輩の隣なんですね】
少しだけ昔を思い出す。
泣き虫だった自分。
人混みが苦手だった自分。
でも。
ユカリだけは普通に隣に来た。
当たり前みたいに。
その記憶が蘇る。
【環:……気付いたらいた】
短い返事。
だが、それが全部だった。
すると。
【爆豪:ムカつく】
【轟:わかる】
【凛:俺も】
【爆豪:テメェは写真持ってるだろうが】
【凛:でも環兄には勝てない部分ある】
環、本気でやめてほしい。
さらに。
【轟:ユカリ先輩、今も天喰先輩の前だとちょっと違いますよね】
【爆豪:無防備】
【凛:安心してる】
環、無言。
そして。
次の瞬間。
【爆豪:……でも】
【爆豪︰今の先輩の隣は譲らねェ】
静かになる。
そのあと。
【轟:俺も】
【凛:当然】
空気が変わる。
さっきまで騒いでいたのに。
急に真っ直ぐ。
環は画面を見ながら、小さく息を吐いた。
昔の写真。
そこには確かに。
自分たちだけの時間が写ってる。
でも今のユカリは。
ちゃんと前に進んでる。
だから。
この三人も必死なんだろうな、と。
その時。
また通知。
【爆豪:もっと寄越せ】
【轟:お願いします】
【凛:環兄一番持ってる送って】
【環:絶対やだ】