第21章 転入生
ユカリはもう慣れてしまったのか、困ったように笑うだけ。
「みんなで帰ればいいんじゃない?」
その一言に全員が止まる。
「だってみんな知り合いでしょ?帰る方向も途中まで同じだし……人数多い方が楽しいよ?」
悪意ゼロ。
天然。
その瞬間、ミリオが吹き出した。
「ユカリらし〜!」
ねじれも笑う。
「全員連れて帰る気だ!」
「いいよね、凛?」
凛を見上げるユカリ。
「……別に。ユカリがいいなら」
断われるわけなんて、当然なかった。
***
結果。
――大所帯になった。
放課後の帰り道。
先頭を歩くのは楽しそうなユカリ。
その隣に環。
さらに反対側には凛。
そして後方。
不機嫌そうな爆豪と轟という。
なんとも異様な集団。
雄英の制服を見て、通行人が振り返る。
「なにあの集団……」
「顔面偏差値高……」
「芸能人?」
ユカリだけが平和だった。
「みんなで帰るの久しぶりだよねー」
その隣で、環は疲れた顔。
「俺は帰りたい……」
「帰ってるでしょ」
「精神的な話……」
凛はそんな二人を見ながら静かに歩いている。
一方後ろ。
空気が悪い。
爆豪が不機嫌そうに舌打ちする。
「なんで俺ァこんな集団下校してんだ」
轟も真顔。
「ユカリ先輩が言ったから」
「断れねェ」
「俺も」
すると前を歩いていたユカリが急に振り返る。
「爆豪くん、轟くん!」
「なんだ」
「なんですか」
「今日ね、凛が英語の授業全部満点だったんだって!すごいよね!」
凛は淡々としたまま答える。
「普通」
「いや普通じゃないから!雄英超難しいって有名なんだからね?」
ユカリが笑ってる。
その笑顔を見ているだけで、爆豪と轟の機嫌も少し直るから不思議だ。