第21章 転入生
午前の授業中。
1年A組。
本来なら静かなはずの座学。
だが、今日はすこぶる空気が悪かった。
原因はもちろん――八神凛。
正確には“今朝の出来事”。
登校時間の校門前。
凛がユカリと並んで歩いていたのを、爆豪と轟が目撃してしまったのだ。
しかも、普通に仲良さそうだった。
笑ってた。
終わった。
というわけで現在。
教室後方。
空気が終わってる。
「……おい」
低い声。爆豪だ。
凛は教科書を見たまま返す。
「なに」
「なんでテメェ朝から先輩と一緒なんだよ」
「途中で会ったから」
「嘘つけ」
轟も静かに参戦。
「ユカリ先輩、普通に笑ってた」
「だから何」
「八神との距離も近かった」
「いつも近いけど」
平然と答える凛。
爆豪が机をガンッと鳴らす。
「テメェ調子乗んなよ」
「…………」
凛が小さなため息を吐く。
そして、ようやく爆豪に視線を向けた。
「ていうか俺、ユカリとお風呂入ったことあるし」
爆豪が停止する。
「…………は?」
轟も教室にいる全員も。
「…………は?」
完全停止。
「「「えぇぇぇぇぇぇぇ!!?」」」
A組大爆発。
出久が椅子から転げ落ちる。
「ちょ、ちょ、待っ――!!」
上鳴が机を叩いて笑ってる。
「やばいやばいやばい!!」
轟の足元でパキパキパキと展開される氷。
出久は慌てて立ち上がる。
「轟くん冷静に!!」
爆豪はもう額に青筋。
「殺すぞテメェ」