第21章 転入生
一方その頃、職員室。
相澤は死んだ目でコーヒーを飲んでいた。
その横で。
プレゼント・マイクが爆笑している。
「第四勢力来たなァ!!雄英恋愛戦国時代じゃねぇか!!」
「うるせぇ」
相澤はすでに疲労困憊。
そこへ。
「あ、相澤くん……」
入ってきたのはオールマイト。
珍しくちょっと気まずそう。
「すまない……私もまさかあんなことになるとは……」
相澤はため息を吐いた。
「オールマイトさん」
「はい……」
「あなたが連れてきた転入生のせいで、校内の派閥が増えました」
「派閥……?」
「第四勢力です」
オールマイト、固まる。
「第四……?」
ミッドナイトが楽しそうに補足する。
「ユカリちゃん争奪戦よ♡」
「爆豪くん派、轟くん派、環くん派、そこに凛くん派追加!今めちゃくちゃ盛り上がってるわ!」
オールマイトは頭を抱える。
「雄英はいつから恋愛ドラマ養成学校に……」
「知りませんよ」
相澤は即答する。
だが。
教師たちもわかっていた。
なぜこんなに盛り上がるのか。
理由は単純。
ユカリが誰にも特別な答えを返していないからだ。
爆豪にも。轟にも。
そして凛にも。
だからみんな本気になる。
だから周囲も盛り上がる。
「でも結局、ユカリちゃんは誰を選ぶのかしらねぇ?」
静かになる職員室。
相澤は少しだけ目を細めた。
そしてぼそっと言う。
「……あいつは簡単に選ばないですよ」
それは。
ユカリを3年間見てきた側としての、確信だった。