第21章 転入生
見ていたA組も驚く。
「やばくね?」
「初日だろ!?」
「息合いすぎ!」
切島が感心する。
「合わせるの上手ぇなあいつ!」
轟も静かに見ていた。
「……なるほど」
そして爆豪は舌打ち。
「気に食わねェ」
だが、認めざるを得ない。
強い。
しかもかなり実戦向き。
すると訓練終了後。
汗もかいてない凛へ、上鳴が近付く。
「なあなあ!めっちゃ強くね!?」
凛はタオルで手を拭きながら答える。
「普通」
「いや普通じゃねぇって!」
すると、出久が興奮気味に話し始めた。
「すごかったんだ!八神くん、僕が動きやすい位置全部作ってくれて!視野が広いっていうか、判断が速いっていうか――」
いつものように早口になる出久。
凛は静かに聞いている。
そしてぽつり。
「お前、伸びるタイプだから」
「え?」
「合わせやすい」
出久、固まる。
褒められた。
しかもクールイケメンに。
顔が赤くなる。
「そ、そうかな!?」
その様子を見ていた芦戸がニヤニヤ。
「凛くん意外とちゃんと見てるタイプだ〜!」
すると。
凛がふと周囲を見る。
「……で」
「?」
「爆豪」
突然凛に名前を呼ばれる。
爆豪が睨む。
「あ?」
凛は静かに言った。
「お前、強いな」
空気が変わる。
A組が息を呑む。
爆豪は数秒黙ったあと、ニヤッと笑った。
「当然だろ」
凛も少しだけ口元を上げる。
その空気はバチバチ。
切島が冷や汗をかく。
「なんかライバル感すげぇ……」
そして凛は続ける。
「轟も。個性強すぎ」
「そうか」
「でもまだ荒い」
轟の目が細くなる。
「……初対面で言うな」
「事実だから」
互いに静か。
だが、確かに火花が散っている。
この日A組全員が察した。
――この転入生、マジで強い。