第21章 転入生
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午後の授業。
1年A組。
グラウンドβでは実技訓練が始まっていた。
担当は相澤。
「今日の訓練はペア戦だ。二人一組で行う」
その説明にA組はざわつく。
「状況対応力と連携を見る」
そして当然。
注目は転入初日の男へ集まっていた。
八神凛。
「どんくらい強ぇんだろ」
「アメリカ仕込みってやつ?」
上鳴たちも興味津々。
そんな中。
相澤が組み合わせを読み上げる。
「緑谷、八神」
「!」
出久が驚く。
凛は特に反応なし。
「よ、よろしく八神くん!」
「……よろしく」
淡々としている。
だが。
爆豪の機嫌が悪化した。
「チッ」
轟は静かに凛を見る。
出久は気付いてない。
そして訓練開始。
相手チームが突っ込んでくる。
その瞬間。
出久が驚いた。
「っ!?」
凛が。
合わせてくる。
呼吸。移動。視線。
全部。
まるで最初から打ち合わせしていたみたいに噛み合う。
「右」
凛の短い指示。
出久が反射的に動く。
その瞬間には、凛が逆側を制圧していた。
速い。
しかも無駄がない。
さらに。
出久が動きやすい位置へ自然に流れていく。
「すごい……!」
出久が思わず声を漏らす。
凛の個性。
それは。
“誰にでも合わせられる”能力。
相手の癖。動き。呼吸。思考。
それを瞬時に読み取り、最大限噛み合わせる。
単純だが、極めて厄介。
そして。
ヒーロー向きだった。
どんな個性とも連携可能。
どんな状況にも順応できる。
「……完成度高いな」
相澤が静かに見ている。