第21章 転入生
「ま、まじで誰だあれ!?」
「え、イケメン……」
「ユカリと知り合い!?」
3年A組、大混乱。
しかも。
抱きしめてる。
距離が近いなんてもんじゃない。
ざわつく3年生たちへ、後ろからぞろぞろ入ってきたA組がどこか楽しそうに説明し始める。
「帰国子女で〜」
上鳴がニヤニヤ。
「まあ一ヶ月しかいないんですけど〜」
芦戸も完全に面白がっている。
「ユカリ先輩に会いにアメリカから帰国したんだとか〜」
「「「えぇぇぇぇぇ!?」」」
3年生、さらに大騒ぎ。
「映画!?」
「ドラマ!?」
「なにその設定!!」
しかも。
当の凛はまだユカリを抱きしめたままだ。
ユカリは顔を真っ赤にしながら言う。
「り、凛、ほんと離れて……!」
「なんで」
「み、みんな見てるから……!」
「別にいいだろ」
平然としている。
強い。
教室入口。
その様子を見ていた爆豪と轟の空気は死ぬほど悪かった。
爆豪は額に青筋。
「……あ?」
轟は静か。
だが。
足元。パキッ。氷。
出久は顔面蒼白になる。
「か、かっちゃん落ち着いて!!轟くんも氷出さないで!!」
二人ともめちゃくちゃイライラしている。
しかも。
凛が強い。
全く周囲に飲まれてない。
むしろ、堂々とユカリを抱きしめている。
その事実に余計腹が立つ。
一方。
ユカリはやっと凛を引き剥がした。
「も、もう……!急に何するの!?」
凛は少しだけ目を細める。
「久しぶりだったから」
「だからって……!」
「ユカリ、変わってない」
「え?」
「昔と同じ顔する」
ユカリ、固まる。
その会話だけで距離感がわかる。
周囲。
「「「うわぁぁぁ……」」」
空気が甘かった。