第21章 転入生
休憩時間。
真っ先に席を立ったのは凛だった。
教室を出ようとする背中へ、すぐに低い声が飛ぶ。
「おい、どこ行く」
爆豪の声。
だが凛は止まらない。
「………」
完全無視。
そのまま廊下へ出る。
「無視すんなコラ!!」
爆豪の怒声。
だが凛は淡々と歩いていく。
目的地がどこかなんて、A組全員わかっていた。
上鳴がニヤニヤする。
「行くしかなくね?」
「見たい見たい!!」
芦戸が即乗っかる。
出久は「えぇぇ……」と言いながらも気になる。
結果、A組大移動。
廊下を歩く凛。
その後ろをぞろぞろついていくA組。
目立たないわけがない。
「え、誰あれ!?」
「イケメン……」
「1年!?」
「なんであんな人数で移動してんの!?」
周囲がざわつく。
しかも凛は顔がいい。
やたら目立つ。
そんな中。
凛は迷いなく3年A組の教室の前で止まった。
ガラッ。
教室の扉が開く。
3年A組。
そこではユカリが、ねじれやミリオたちとインターンの話をしていた。
「だからその事務所、連携がすごくて――」
そこで。
ユカリが入口を見る。
知らない男子。
しかもイケメン。
その後ろにA組大集合。
「……え?」
3年の教室中がざわつく。
凛はユカリを見たまま動かない。
その空気に、環がわずかに眉を寄せた。
「誰……?」
だが次の瞬間。
凛が歩き出す。
真っ直ぐ。
ユカリのところまで。
そして。
「会いたかった」
低い声で。
そのままユカリを抱きしめた。