第20章 保健室当番
その時。
「おーい爆豪ー! 緑谷ー!」
廊下の向こうから騒がしい声。
「鞄持ってきてやったぞー! 俺やさし〜!」
開けっぱなしだった保健室の入口に現れたのは、上鳴だった。
その後ろには峰田もいる。
上鳴は軽いノリで中を覗き込み――
止まった。
「……え?」
視界に入ったのは、白衣姿のユカリ。
数秒の沈黙。
そして。
「え!? ユカリ先輩っ!?!?」
絶叫が保健室に響く。
「ちょ、ま、かわっ、やばぁぁぁあ!!!!!」
爆音。
峰田も横から覗き込んで――
「は?????」
停止。
白衣。保健室。ユカリ。
情報量が多い。
次の瞬間。
「あああありがとうございますぅぅぅ!!!」
なぜかユカリに頭を下げた。
「何に!?」
出久がすかさずツッコむが、峰田は拝み始める。
「白衣っ……白衣はダメだってぇ……!!」
「峰田くん!?」
上鳴もまだ混乱していた。
「え、なんで!? なんで先輩いるんすか!? え、今日!? 今日ずっと!?」
その声量は最悪だった。
廊下を歩いていた生徒たちが足を止める。
「……ん?」
「何事?」
「保健室?」
ざわざわ。
そして。
開きっぱなしの扉から見える白衣姿のユカリ。
数秒後。
空気が変わった。
「えっ」
「ユカリ先輩!?!?」
「マジ!?」
「うそでしょ!?」
一気に人が増える。
ユカリは目を丸くする。
「え、え?」
爆豪は舌打ちをする。
出久も察した。
(あっ、保健室崩壊した)
廊下がどんどん騒がしくなる。
「先輩ほんとにいた!」
「白衣やば!」
「え待って可愛すぎる!」
「なんで誰も教えてくんなかったの!?」
「心操知ってたんじゃね!?」
「切島も怪しかった!!」
「物間あれ煽ってたのこれか!!」
全部が繋がった瞬間。
「え、なになに!?ユカリ先輩!?」
「マジ!?」
下校中の生徒まで集まり始める。
保健室前は完全に人だかりが出来てしまった。