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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第20章 保健室当番



爆豪の顔。

それは完全に。

“好きな子が可愛すぎて処理落ちしてる時の顔”だ。

しかもユカリ本人は無自覚。 

爆豪は無言のまま腕を差し出した。

ユカリがそっと触れる。

「少し腫れてる」

「……」

「無理した?」

「……してねェ」

「嘘」

出久は少し笑いそうになる。

「ちゃんと治すからじっとしてて」

死ぬほど大人しい爆豪。

今の保健室。

ユカリと爆豪の二人きり感が強い。 

出久がいるのに。

完全に空気が甘い。

いつもそうだ。

ユカリは傷にそっと触れながら言った。

「今日は大人しくしてね?」

「……無理」

「なんで?」

「先輩いるし」

出久は天を仰ぐ。 

(始まった)

ユカリは「もう」と笑う。

その笑顔を見て、爆豪はさらに重症化。

「はい、おしまい」 

ユカリがそっと手を離した。

さっきまで赤く腫れていた爆豪の腕は、もうほとんど綺麗になっている。

出久が目を見開いた。

「す、すごい……!」

爆豪も自分の腕を見る。

痛みがほぼない。

「……ほんとに治ってんな」

「軽傷だけだけどね?」

ユカリはカルテをめくりながら記入する。

「大きい怪我までは無理だから」

だが、出久はもう完全に“分析モード”に入っていた。

目がキラキラしている。

「でもすごいですよ!! 個性とは別なんですよね!?」

「え、う、うん」

「どういう原理なんですか!? 接触型!? それとも生体エネルギー系!? 回復速度は怪我の深さによって変わるんですか!? 疲労とか代償は!? リカバリーガールみたいに生命力を使うタイプですか!?」

早口で質問してくる出久に、ユカリは少し圧倒される。

「え、えっと……」

「あと使用回数とか制限あります!? 個性との併用は!? 先天的!? 後天的!?」

「お、落ち着いて出久くん……」

「はっ!? すみません!!」

でも止まらない。 

「いやでも気になるんです!! ユカリ先輩の治癒ってすごく自然で! リカバリーガールとはまた違う感じで! しかも痛みが引く速度も――」

「デク」

爆豪の低い声。

「うるせェ」

「あ、ご、ごめん……」    

しゅんとする出久を見て、ユカリはくすっと笑った。

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