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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第20章 保健室当番



***

六時間目。

保健室は驚くほど静かだった。

窓の外では授業の声が聞こえる。

でも中は穏やかだ。

ユカリは椅子に座ったまま、ふぅっと息を吐いた。

「……思ったより平和だったかも」

怪我人もそこまで多くない。

軽傷ばかり。

みんなちゃんと節度を守ってくれた。

ユカリが少し伸びをすると、白衣の袖が揺れる。

「この時間終わったら帰れるなぁ……」

そう呟いた、その時。

ガラッ!! 

勢いよく保健室の扉が開いた。

「だから!!」

聞き慣れた怒鳴り声。

「俺ァ平気だっつってんだろデク!!」

「あっ、でも!オールマイトがちゃんとリカバリーガールに見てもらわないとダメだって――」

入ってきたのは出久。

そしてその後ろに、腕を乱暴に掴まれた爆豪。

「リカバリーガールお願いします!」

出久が勢いよく前を向いて――

止まった。

「…………え?」

白衣姿のユカリ。

保健室。

静かな空気。

出久はフリーズ。

ユカリもぱちぱち瞬きした。

「出久くん?」

「えっ、え!? ユカリ先輩!?!?」

声が裏返る。

そして。

その後ろにいた爆豪が数秒遅れて前を見る。

「……は?」

停止。完全停止。

思考が止まった。

白衣。

保健室。

ユカリ。

意味が繋がらない。

ユカリは苦笑した。

「あ、えっと……今日は保健室当番で」

じっとユカリを見る爆豪。

白衣姿。

柔らかく結ばれた髪。

いつもと少し違う雰囲気。 

しかも保健室。

爆豪の脳がゆっくり処理を始める。

(……は?)

(何だこれ)

(可愛すぎねェ?)

思考がやっと追いついた瞬間。 

ユカリが立ち上がる。

「あれ、怪我したの?」

「………」

「爆豪くん?」

名前を呼ばれて爆豪はやっと反応する。

「……おいデク」

「は、はい!?」

「なんで言わなかった」

「僕も今知ったんだけど!?」

ユカリは苦笑しながら近づいてくる。

「腕?」

「……別に大したことねぇ」

「でも見せて?」

近い。

すごく近い。

出久はすぐに察する。

(あっこれダメだ) 

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