第20章 保健室当番
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静かな保健室。
午前の授業中だからか、人の気配も少ない。
窓の外から聞こえる授業の音だけが微かに響いていた。
そんな中。
ガラッ。
保健室の扉が開く。
「リカバリーガール、この前の委員会で纏めたプリントなんですけど――」
そこまで言って環が止まった。
「……ユカリ?」
白衣姿のユカリが振り返る。
「あ、環」
環は目を瞬かせた。
「なんでいるの」
「今日は保健室当番なの」
「……ああ」
すぐ納得した。
今日、ユカリは朝から教室に来ていなかった。
ねじれもミリオも「休み?」と話していたが。
なるほど。
そういうことか。
ユカリは苦笑する。
「相澤先生に、誰にも言うなって言われてて」
「……正しい判断だと思う」
環は保健室へ入りながら言う。
「絶対人来るから」
「もう、みんなそう言う」
「事実だから」
環はリカバリーガールの机へプリントを置き、そのまま委員会の資料を整理し始める。
保健委員として慣れた手つきだった。
ユカリも今日保健室に来た生徒のカルテを作って纏めている。
「……保健室当番は今日だけ?」
「うん。明日は授業出る」
「そう」
しばらく静かな時間が流れる。
紙をめくる音。
カルテに記入する音。
静かな保健室。
穏やかな空気。
こうして二人でいる時間は昔から自然だった。
そんな中。
今度は勢いよく保健室の扉が開いた。
「失礼するわよ〜♡」
現れたのは――ミッドナイト。
「あら?」
保健室へ入った瞬間、ミッドナイトの目が細くなる。
白衣姿のユカリ。
そしてその隣には環。
近い距離。
穏やかな空気。
自然すぎる二人。
ミッドナイト、数秒停止。
(………………良)
教師として。
いや。恋愛観察者として。
非常に良い。