• テキストサイズ

【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第5章 彼氏候補



ユカリの心臓がどくどく鳴る。

恋? 

いや、違う。

……違う、はず。

なのに。

“彼氏”と言われた時、真っ先に思い浮かんだのは二人だった。

しかも妙に鮮明に。

爆豪の、不器用なのに真っ直ぐな言葉。

轟の、静かなのに逃げ場のない視線。

最近ずっと近くて。

優しくて。 

甘くて。

気づけば探してしまうくらいには――

「うわ、顔もっと赤くなった!」

「ねえ絶対好きじゃん!!」

「ち、違うって!!」

ユカリが立ち上がった瞬間。

ガラッ。

教室のドアが開いた。

「先輩」

「ユカリ先輩」

教室中が静まる。

現れたのは、爆豪と轟。

しかもタイミングが最悪だった。

轟がまっすぐ近づいてくる。

「昼、一緒に食べるって言いましたよね」

爆豪は不機嫌そうに眉を寄せる。

「何赤くなってんだ」

「っ!?」

近い。

二人とも近い。

さっきまで話題にしていた本人たちが目の前にいるせいで、鼓動が余計におかしくなる。

「べ、別に!?」

するとねじれが、にやぁっと笑った。

「ユカリね、彼氏候補考えてたんだって!」

「!?」

時が止まる。

爆豪の目が見開かれる。

轟もぴたりと止まる。

「……彼氏?」

「候補?」

空気が変わった。

明らかに。

ユカリの顔が一気に熱くなる。

(終わったーーーー!!)


***


放課後。

夕焼けに染まる雄英高校の校門前。

ユカリは顔を覆いたい気持ちのまま、足早に歩いていた。

(無理無理無理!!)

頭の中では、昼休みのねじれの言葉が延々リピートしている。

――『ユカリ彼氏候補考えてたんだって!』

しかもその場にいたのが。

爆豪と轟。

最悪だった。

「……先輩」

後ろから低い声。

びくっと肩が跳ねる。

振り返れば、少し離れた場所に轟が立っていた。

その隣には、腕を組んだ爆豪。

二人とも帰る方向が同じなのをいいことに、当然みたいについてきている。

「……なんでいるの」

「送ります」

「当たり前みてェに一人で帰ろうとしてんじゃねェ」

逃げ道がない。

ユカリは観念して、二人と並んで歩き出した。

/ 252ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp