第20章 保健室当番
リカバリーガールは数秒黙って。
そして。
「あー……」
察した。
相澤は淡々と続ける。
「特に1年。絶対来るぞ」
ユカリはまだ意味が分かっていない。
「怪我した人が、ですか?」
「怪我してなくても来る」
ユカリは固まる。
相澤はようやく顔を上げた。
眠そうな目。
でも言っていることは本気だった。
「爆豪と轟は確実」
「……」
「多分A組も集まる」
「……」
「B組も来るな」
「そ、そんなに!?」
ユカリがびっくりする。
相澤は深いため息をついた。
「お前は自分の人気を自覚した方がいい」
「えぇ……?」
全然納得してないユカリの顔。
それを見てリカバリーガールは大笑いした。
「ははは!まあ確かに、保健室は混みそうだねぇ!」
相澤は静かに資料を閉じる。
「怪我人より“顔見に来ました”が増える。休憩所になるぞ」
「そ、そんなこと……」
言いかけて。
ユカリはふと数日前の体育祭を思い出した。
借り物競争。
次々呼ばれた自分。
やたら集まる視線。
爆豪と轟。
……否定しきれない。
相澤はそんなユカリを見て、少しだけ呆れた顔をした。
「しかもお前、来た奴全員ちゃんと相手するだろ」
「……まあ、一応」
「だから余計集まる」
論理的だった。
ユカリは苦笑するしかない。
「でも困ってる子いたら放っておけないですし」
相澤は小さく息を吐く。
「そういうとこだ」
リカバリーガールは楽しそうに笑った。
「まあ明日は頑張りな!」
「はい」
返事をしながらもユカリはなんとなく思う。
……明日、大丈夫かな?と。