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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第19章 写真



結局、ユカリは写真を消してもらうことを半ば諦めていた。

(もう無理だよね……)

轟にも爆豪にも、あんな顔をされると強く出られない。

しかも二人とも悪気ゼロで「可愛いから」と言ってくるから余計に困る。 

「……仕方ない」

ユカリは小さくため息をついて笑った。

「邪魔になるから帰るね」

そう言って席から立ち上がる。 

すると。

「先輩」

爆豪が顔を上げた。

「……?」

「もう終わる。待ってろ」

自然な口調。

まるで当然みたいに。

ユカリは少し目を丸くする。

「え、でも反省文でしょ?」

「あとちょい」

「……じゃあ待ってようかな」

その瞬間。

隣で反省文を書いていた出久が静かに思った。

(ユカリ先輩、かっちゃんの押しに弱いよなぁ……)

昼間の授業が頭をよぎる。

『相手が喜んでるかどうかわかんねェ時、押し引きの判断がつかねェ』

そう相談していた爆豪。

でも実際は。

爆豪って、かなり真っ直ぐだ。

「待ってろ」
「こっち来い」
「好き」

言葉がストレート。

押しも強い。

普通なら圧倒されそうなのに。

ユカリは、結局そのまま受け入れてしまう。

しかも嫌そうじゃない。

むしろ――

ちょっと嬉しそう。

出久はペンを動かしながら、ちらりと二人を見る。

爆豪は反省文を書いている。

ユカリはその前の席に座り直して、頬杖をつきながら爆豪を見ている。

静かな空気。

なのに妙に甘い。
 
(これ、かっちゃん気づいてるのかな)

ユカリ先輩。

押されると弱い。

特に、“大事にされてる”って分かる押し方に。

そして爆豪は、不器用だけど。

ユカリをすごく大事にしてる。  

だからユカリも、ちゃんと受け止めてるんだろうな。

そんなことを考えていると。

「デク」

「ひゃい!?」

急に爆豪に呼ばれて飛び上がる。

「反省文終わってねェぞ」

「ご、ごめん!」

「ニヤニヤして気持ち悪ィんだよ」

「してない!!」

ユカリがくすっと笑う。

その笑い声に、爆豪の目元が少しだけ柔らかくなったのを。

出久はちゃんと見ていたのだった。


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