第18章 オールマイトの特別授業
数日前の3年生の授業を思い出していたオールマイトは、ぱんっと手を叩いて現実へ戻った。
「さて!少し真面目な話が続いたね!」
明るく笑う。
「他にも何か、日常的な相談はあるかい?」
「小さな悩みでも構わない!ヒーローだって人間だからね!」
その言葉にA組の空気が少し和らぐ。
すると。
教室後方で、ゆっくり手が上がった。
轟焦凍。
「ん?轟少年!」
轟は真顔だった。
「相談って言っていいのかわかんねぇけど……最近、発作がよく起きるんです」
教室が静まり返る。
「……発作?」
オールマイトが少し真面目な顔になる。
だが、その瞬間。
「それ絶対ユカリ先輩関係だよね!?」
出久が秒でツッコんだ。
「早ぇよ緑谷!」
「ノータイムだったぞ今!」
切島と上鳴が笑い崩れる。
オールマイトも「あっ……そういう……」みたいな顔になる。
でも、轟は真剣だった。
「ユカリ先輩が笑ったり」
「名前呼んだり」
「応援してくれたりすると」
「心臓が変になる」
「あと呼吸が苦しくなる」
「死ぬかもしれない」
A組、大爆笑。
「それは恋だよ!!」
「ただの恋愛症状だ!!」
轟は少し考え込む。
「恋なのか」
「今さら!?」
出久はもう耐えられない。
「轟くん体育祭の時点で発症してたからね!? “俺は発作で死ぬかもしれない”って言ってたからね!?」
轟は「ああそうだな」と静かに頷いて続ける。
「悪化した」
「重症化するんだそれ!?」
爆豪は隣で盛大に舌打ちした。
「うるせぇぞ半分野郎」
だが、その耳が少し赤い。
切島がニヤニヤする。
「爆豪も似たようなもんじゃねぇか?」
「殺すぞ」
図星。
オールマイトは咳払いした。
「え、ええと!」
「それは非常に青春らしい悩みだね!」
「誰かを強く想うと、感情が制御しづらくなることはある!」
轟はオールマイトの話を真剣に聞いている。
「治りますか」
「ケースによるかな!」
「そんな病気みたいに言うな!」
教室のどこからか峰田のヤジが飛んできた。