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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第15章 体育祭



さっきまで騒がしかった空気が、一瞬だけ妙に静まる。

そして。

「おい」

低い声。

爆豪がゆっくり環へ近づく。

環、反射的にびくっとする。

(殺られる)

本気でそう思った。

後ろでは切島が小声で言う。

「うわ、爆豪圧がやばい」

上鳴も警告を出す。 

「天喰先輩まじ逃げて!」

だが、環は逃げられない。

爆豪はそのまま目の前まで来る。

そして。

「さっきの写真くれ」

「……え?」

環、拍子抜け。

「それだけじゃねェ、昔の写真もろもろ」

「…………」

予想外すぎる要求。 

だがその直後。

横からも静かに声が重なる。

「俺も欲しいんでお願いします」

轟も真顔。

本気だ。

環は二人を交互に見る。

(……本当にそれだけ?)

でも二人の目が完全に“本気で欲しい人の目”だった。

昔のユカリ。

知らない頃のユカリ。

その時間を少しでも見たい。

そんな感情が隠しきれていない。

環は微妙な顔になる。

「……まあ写真くらいなら」

その瞬間。

「ダメだからね環!!」

ユカリが即座に割り込んだ。

顔が真っ赤。

「絶対あげちゃダメ!!」

「は?なんでだよ」

爆豪が即返す。

「恥ずかしいから!!」 

「可愛いからいいだろ」

爆豪、自然に言う。

一瞬静止。

「…………え?」

ユカリの思考停止。

周囲も止まる。

轟も静かに頷く。

「俺も見たいです。昔のユカリ先輩」

さらに真っ赤になるユカリ。

目の前には“昔のユカリを知りたい後輩二人”。

その隣には“絶対阻止したいユカリ”。

逃げ場、なし。

環は遠い目で再び空を見上げたのだった。

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