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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第15章 体育祭



そして。

ファットガムの何気ない一言は、あまりにも自然すぎた。

「まぁ最悪彼氏できんくても、環がおるしな!」

その瞬間、空気が一段階だけ“凍る”。

環は、ほんの一瞬だけ目を見開いた。

(終わった)

その思考だけが脳内をよぎる。

ユカリは「あ、えっと……」と曖昧に笑うしかない。

一方、ファットガムは完全に悪気ゼロで続ける。

「いやな、こいつほんま優秀やで?守りも判断も速いしな!」

「インターンでもな、周りよー見とるし頼りになるし――」

「いや俺とユカリは友達なんで」

環が即座に割り込む。

声がいつもより一段早い。

「あと俺、まだ死にたくないんで」

「は?」

ファットガムは普通に首をかしげる。

だが環の背中には、別の意味で汗が流れていた。

(視線が痛い)

背後。

爆豪勝己の無言の圧。

轟焦凍の静かな圧。

どちらも言葉はないのに、空気だけで「説明しろ」と言っている。

環は視線を一切動かさず、小声で続ける。

「俺とユカリはただの友達です」

「ほんとにそれだけです」

「それ以上でも以下でもないです」

必死の早口説明。

ファットガムはそれを見て「なんや緊張しとるなぁ」と笑うだけ。

「そら信頼しとるからなぁ、俺は環を!だから言うてるやろ?ユカリちゃんも環なら安心やって」

その言葉がさらに地雷を踏む。

環は一瞬だけ空を見た。

(助けてくれ)

その横でねじれは楽しそうに笑っている。

「天喰くん、顔こわいよ〜?」

「うるさい……」

ミリオは腹を抱えている。

「いや〜ファットガムさん天然すぎるでしょ!」

その頃、爆豪は一言も言わずにいる。

だが逆にそれが一番怖い。

轟も静かに一点を見ている。

ただ一つ共通しているのは――

二人とも“環の説明”を一言も信用していない顔をしていることだった。

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