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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第15章 体育祭



轟がユカリに声をかけていたやり取りは、当然その場にいた全員の耳に入っている。

そしてその隣。

それを聞いていた男がいる。

爆豪。

(……あいつだけかよ)

舌打ち一つ。

だが次の瞬間、爆豪は普通に歩き出した。

まっすぐ、迷いなく。

「先輩」

そのまま3年テントへ。

周囲がざわつく。

「……爆豪くん?」

驚くユカリの前に立つ。

少しだけ間を置いて。

「俺にも応援」

短い。

だが、真っ直ぐすぎる一言。

ユカリは一瞬きょとんとする。

それから、ふっと笑う。

「も〜……」

軽く肩をすくめて。

そして、少しだけ悪戯っぽく目を細める。

「頑張れ、爆豪勝己!」

いつもより柔らかくて。

いつもよりまっすぐで。

しかも、完全に“爆豪に向けた笑顔”。

その瞬間。

爆豪の思考が止まる。

(……)

(今のはダメだろ)

心臓が一拍遅れて暴れる。

呼吸が一瞬ずれる。

「……っ」

言葉が出ない。

その場にいた切島が小さく呟く。

「今のは反則だろ……」

上鳴も同意する。

「いやあれは無理だわ……」

出久は遠い目。

「かっちゃん、完全に固まってる……」

爆豪はようやく小さく息を吐く。

そして、黙ったままユカリに背を向けた。

(くそが)

(やるしかねぇだろ)

スタート位置へ向かう爆豪の背中は、いつもより少しだけ速かった。

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