• テキストサイズ

赤い約束 @銀魂

第2章 吉原


『いらっしゃいませ』


煌びやかな店内に、黒服の声が響く。


「えっと、時雨ちゃん。いる?」

「いつもありがとうございます!もちろんです!今、呼んで参りますので、少々お待ちくださいませ。」



フロアの先にある小さな部屋。
そこは、“更衣室”と言う名の、待機部屋。
指名を待つ者、化粧直しに勤しむ者、女同士の会話に夢中になる者、様々な女で賑わっている。



「時雨ちゃん、指名だよ。」


黒服が私を呼びにやって来た。


「時雨〜、また、いつもの旦那かい?随分な上客捕まえたじゃないか〜」


鏡ごしに小夜がニヤニヤと笑いかけて来た。


「うーん?そうかな?」

「もーーとぼけちゃってさ〜」


小夜と私は、生まれも育ちも、この吉原。
幼い頃から一緒に過ごしてきた、言わば幼馴染みたいな関係。


「時雨ちゃん、出れる?」

「うん。」

「時雨!飲み過ぎんなよ〜」

「はーい」


黒服に連れられ更衣室を出ると、
いつもの席に見慣れた背中があった。


/ 14ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp