第5章 笑顔の裏側
(神威side)
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「ねぇ、阿伏兎。女ってのは、やっぱり分からない生き物だね。」
「んぁ?何の話だァ?」
「なんでもないよ。こっちの話。」
時雨。
君は不思議な子だよ。
君を殺す事なんて、俺にはカンタンな事なのに。
吉原に興味はない。
俺は鳳仙の旦那とは違う。
女なんて、強い子供を産むためだけのモノでしかない。
「ちょっと出てくるよ。」
「あァ?ちょっとって、おい!」
「後は頼んだよー」
「あ、コラ!……ったく。困った団長様だァ。」
イライラする。
この感覚は何だ?
最近の任務が物足りないせいか?
「おいおい、随分と腑抜けた面してやがるじゃねェか。クク…。」
「あんたか。」
高杉晋助。
なかなか面白い、侍って生き物。
そう言えば、こいつの部下に女がいたな…。
「ねぇ!女って、どんな生き物だと思う?」
「女だァ?…クク…らしくない事言うじゃねェか。」
「そうかな?」
「女なんてのは、快楽の道具ってとこだろうな。鳴かせて愉しむ。それだけだ。」
「ふぅーん。」
快楽の道具か。
それもそうだ。
時雨は…どんな声で鳴くのかな?
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