第3章 3
昼前──
キッチンからはいい匂いが漂っていた。
サンジは手際よく昼飯の仕込みを進めている。
火加減を見ながら、フライパンを軽く振った。
「サンジー!まだかー!」
甲板の向こうからルフィの声が飛んでくる。
「うるせぇ、もう少し待てっての!」
サンジがキッチンから怒鳴り返す。
一方で甲板の一角。
ことみはチョッパーと並んで座り、包帯をくるくると丸めている。
「これ、こうやって巻くんだぞ」
「こうですか?」
「そうそう、上手いぞ!」
小さなやり取りをしながら、包帯が少しずつ整っていく。
その様子を、少し離れた場所からサンジがちらっと見る。
(……ちゃんと馴染んでんな)
何も言わず、またフライパンへ視線を戻した。
フライパンの音と、甲板の声が混ざっていく。