第3章 3
朝の光と軽い笑い声が混ざっていく。
ナミは軽く周囲を見て、そのまま通り過ぎようとする。
「ちゃんと働いてるみたいじゃない」
デッキブラシを持つことみに、ちらりと視線を向ける。
ことみは慌てて背筋を伸ばす。
「あ、はい……お金、ちゃんと返したくて」
「へぇ」
ナミは少しだけ口元をゆるめた。
「そういえばさっきチョッパーがお手伝いしてくれる子探してたわよ」
サンジが横からナミを見る。
タバコをくわえ直して、軽く息を吐く。
「相変わらずだな」
ナミは気にした様子もなく、ことみに視線を戻す。
「じゃあ、その調子でちゃんと働きなさいよ」
そう言って、ナミは甲板の奥へと歩いていく。
サンジはその背中を見送りながら、小さく息を吐いた。
「真面目すぎるんだよ」
タバコの煙が、朝の光にゆっくり溶けていった。
甲板にはまた、いつもの船の音だけが戻ってくる。