第2章 2
港の通りを抜けると、だんだん人の声が遠のいていく。
代わりに、波の音がはっきりと聞こえ始めた。
ことみは紙袋を抱え直しながら、少しだけ港の方を振り返る。
「えー、もう戻る時間なんですね…」
ぽつりとこぼしてから、まだ灯りの残る通りを見る。
さっきまであそこにいたのが、少し前のことなのにもう遠く感じる。
「なんか、あっという間でした……」
名残惜しさがそのまま言葉になる。
サンジは前を向いたまま、短く息を吐いた。
「そりゃ楽しいと早ぇんだよ」
それだけ言って、歩き続ける。
波の音だけが聞こえていた。