第2章 2
「……あ」
言われて、ことみはぱちぱちと瞬きをする。
確かにその通りだ。
海賊船に乗って、
知らない島に来て、
知らない料理を食べて、
推しと普通に並んで歩いてる。
(いや改めて意味分かんないな……!?)
急に現実味がなくなってきて、ことみは串を持ったまま固まった。
サンジはそんな様子を見て、呆れたみたいに笑う。
「今さら実感したのかよ」
「だってずっと情報量多いんですよ!」
「ハハ」
二人はそのまま屋台を離れて、港通りをゆっくり歩き出す。
夜風が少し涼しくて、賑やかな声が後ろへ遠ざかっていく。
遠くでは陽気な音楽まで聞こえていた。
ことみはその音を聞きながら、もう一口串をかじる。
「……おいしい」
今度はさっきより小さな声で呟く。
サンジは隣を歩きながら、
「そりゃよかった」
と、少しだけ笑った。