第2章 2
「ほら、冷める前に食えよ」
サンジに言われて、ことみは慌てて串を見る。
焼きたてで、まだ湯気が立っていた。
「いただきます……!」
恐る恐る一口かじる。
その瞬間。
「……っ!!」
思わず目を見開いた。
外は香ばしいのに、中はふわっと柔らかい。
知らない味付けなのに、めちゃくちゃ美味しい。
「おいしい!!」
勢いよく振り向くと、
サンジは少し笑った。
「だろ」
「なんですかこれ!? 魚!?」
「魚だな」
「説明が雑!」
ことみが騒いでいる横で、店主が腹を抱えて笑っている。
周りの客までつられて笑い始めて、
屋台の空気はやたら賑やかだった。
ことみは串を持ったまま、きょろきょろと周りを見る。
ランプの灯り。
騒ぐ人たち。
知らない言葉。
知らない料理。
全部ぐちゃぐちゃなのに、不思議と楽しい。
「なんか、ほんとに冒険してる感じします……!」
ぽろっと漏れる。
サンジは隣で笑った。
「なに言ってんだよ」
そう言いながら、軽くことみの頭を小突く。
「今お前、海賊船乗ってんだぞ」