第2章 2
会計を終えると、店員が大きな紙袋をまとめて差し出してくる。
「ありがとうございましたー!」
「お世話になりました……!」
ことみがぺこっと頭を下げながら袋を受け取ろうとした、その時だった。
横からサンジが自然に一番大きい袋を持っていく。
「えっ」
思わず声が漏れる。
サンジはそのまま当然みたいに歩き出した。
「結構買ったな」
「い、いや、持てます!」
慌てて言うと、
サンジは振り返りもせず軽く手を振る。
「別に全部持つとは言ってねぇよ」
その言い方があまりにも自然で、ことみはその場で一瞬固まった。
(持ってくれるんだ……)
推しが。
普通に。
当たり前みたいに。
また変な方向に心臓がうるさくなる。
「何してんだ?」
前からサンジの声が飛んできて、ことみはハッとした。
「い、今行きます!」
慌てて残りの袋を抱えて後を追いかける。
店を出ると、外はすっかり夕方の色になっていた。
通りにはランプの灯りがつき始めていて、昼間より少しだけ空気が柔らかい。