第2章 2
「その意気だ」
サンジが軽く笑う。
店員が服を畳みながら、「お姉さん楽しそうでいいねぇ」とにこにこしている。
ことみは少し照れながら、金の入った袋を取り出した。
そして中を覗いて、ぴたりと止まる。
「……えっと」
見たことのない紙幣と硬貨。
当然だけど、日本円じゃない。
(いや待って、どれがどれ!?)
一気に焦り始める。
店員は普通に待っているし、後ろには別の客もいる。
ことみは袋の中を何度も見比べながら、だんだん顔が引きつっていった。
「ことみ?」
隣でサンジが怪訝そうに覗き込む。
「ベリー難しいです……!」
「ハ?」
「どれがいくらなのか分かんないです!!」
必死に小声で訴えると、
サンジは一瞬ぽかんとしたあと、吹き出した。
「そこかよ」
「だ、だって初ベリーなんですよ!?」
「初ベリーってなんだ」
笑いながら、サンジが袋の中から数枚抜き取る。
「これで足りる」
慣れた手つきで店員へ渡してしまった。
ことみは隣で完全に固まる。
(……尊い)
でも口に出したら終わる気がして、慌てて飲み込んだ。