第2章 2
顔の熱が全然引かないまま、慌てて試着室へ戻る。
「おーい?」
「ちょ、ちょっと待ってください……!」
カーテンの向こうでわたわたしていると、外からサンジの笑い混じりの声が聞こえた。
「ハハ、忙しいな」
その一言にまた心臓がうるさくなる。
ことみは深呼吸してから、ようやく試着室を出た。
「……もう、次は自分で選びます」
半分やけくそみたいに言うと、
サンジは軽く肩をすくめる。
「はいはい」
それから少しだけ口元を緩めた。
「気に入ったのがあるならそれでいい」
その言葉に背中を押されるように、ことみは店の中を見て回る。
さっきより不思議と目につくものが増えていた。
動きやすそうな服。
少し可愛い服。
「……これとか」
自分で手に取ってみる。
サンジは横からちらっと見て、
「いいんじゃねぇか」
それだけなのに、なんだか嬉しかった。