第2章 2
「ならよかった」
外から返ってきた声に、ことみは鏡越しに自分を見る。
さっきまでなら絶対選ばなかった服。
なのに、不思議としっくりきている。
(これ、サンジくんだから選べたんだろうな……)
そう思った瞬間、また顔が熱くなる。
「……もう」
誰に言うでもなく呟いて、深呼吸する。
そして意を決して、カーテンを開けた。
「……どうですか」
今度はさっきより少しだけ出にくい。
足元が妙に落ち着かなくて、つい裾を触ってしまう。
サンジはその仕草を見て、すぐに理由を察したらしい。
「気になるか?」
「いや、ちょっと足が……」
言い切る前に、
サンジは軽く首を傾げる。
「別に変じゃねぇよ」
さらっと返してから、改めて全体を見る。
「そのくらいの方がバランスいい」
それでもことみが落ち着かなさそうにしていると、
サンジは少しだけ呆れたみたいに笑った。
「何そんな気にしてんだ」
そして当たり前みたいに言う。
「かわいいんだからいいだろ」
「……っ」
一瞬、頭が真っ白になる。
ことみは反射みたいに顔を逸らした。
(だからそういうのを普通に言うなって……!)