第2章 2
サンジはラックを眺めながら、次々と服を見ていく。
その手つきには迷いがなくて、見ているだけなのに不思議と様になっていた。
「……サンジくんって、こういうの選ぶの上手いんですね」
思わず漏れる。
するとサンジは服を見たまま笑った。
「まぁ、毎日ナミさんとロビンちゃん見てりゃ多少はな」
「なるほど……」
妙に納得してしまう。
その時、サンジがまた一着引き抜いた。
今度はさっきより少し明るい色だ。
「これは?」
「えっ」
突然向けられて、ことみは慌てて受け取る。
「ちょ、ちょっと難易度高くないですか?」
「そうか?」
サンジは普通に首を傾げる。
「お前、こういう色も似合うと思うけどな」
またさらっと言う。
ことみは服を抱えたまま固まった。
(だからそういうのを普通に言うなってば……!)
顔が熱くなるのを誤魔化すように、慌てて試着室へ逃げ込む。
サンジはその背中を見送りながら、
「転ぶなよー」
と、どこか楽しそうに声を投げた。