第2章 2
試着室のカーテンを閉めると、外の賑やかな音が少し遠くなる。
ことみは手の中の服を改めて見下ろした。
(ほんとに選んでくれたんだ……)
少しだけ緊張しながら袖を通す。
鏡の前で整えてみると、思っていたよりしっくりきた。
派手すぎないのに、地味でもない。
自分一人なら、多分選ばなかった服だ。
「……あれ」
思わず小さく声が漏れる。
なんとなく嬉しくなって、鏡をもう一度見る。
その時。
カーテンの向こうから、サンジの声が飛んできた。
「まだかー?」
「き、着れました!」
慌てて返事をしてから、深呼吸する。
(いや待って、見せるの!?)
急に緊張が押し寄せてくる。
でもここまで来て引き返すのも変だ。
ことみは意を決して、そっとカーテンを開けた。
「……どうですか」
少しだけ顔を出すように聞くと、
近くの壁に軽く背を預けていたサンジが視線を上げる。
そして一瞬、目を細める。
「……いい感じじゃねぇか」