第2章 2
ことみは一歩ずつ店の奥へ進んだ。
色も形も多すぎて、目が追いつかない。
(絶対もっと“海賊の女!!”みたいな服ばっかりだと思ってた……)
ナミを思い出して、ちょっとだけ視線が泳ぐ。
でも並んでいるのは、普通に可愛い服や、動きやすそうな服も多い。
思っていたより、ずっと普通だ。
ことみがきょろきょろと見回していると、
その様子を見ていたサンジが、ふっと息を吐いた。
「まぁ、ゆっくり見りゃいい」
そう言いながら、自分も近くのラックへ目を向ける。
服を指先で軽くずらして、色を見て、また戻す。
しばらく無言で見ていたかと思うと、
サンジがふと一着を抜き取った。
「……あー、これだな」
振り返って、ことみに軽く掲げる。
「お前こういう方が似合う」
それから顎で試着室の方を示した。
「着てこい」
「え、もう決まったんですか!?」
ことみが目を丸くすると、
サンジは当たり前みたいに肩をすくめる。
「見りゃわかる」
「すご……」
半分呆れながら服を受け取る。
生地は柔らかくて、色も派手すぎない。
自分じゃ選ばなさそうなのに、嫌じゃなかった。
ことみは服とサンジを見比べてから、小さく笑う。
「……じゃあ、着てきます」