第2章 2
その時だった。
店の入口の方から、急に大きな笑い声が響く。
「ギャハハハ!!」
ガタン、と乱暴な音。
酒の匂いが一気に強くなった気がした。
ことみが反射的にそっちを見ると、数人の男たちが店に入ってくる。
腰には剣。
いかにも“海賊”って感じの荒っぽい空気だった。
「うわ……」
思わず小さく声が漏れる。
男たちは周りなんて気にせず騒ぎながら席へ向かっていく。
店員も慣れているのか、苦笑いしながら酒を運び始めた。
ことみは少しだけ目を丸くする。
「ほんとに普通にいるんだ……」
「海賊なら港町には大体いるだろ」
サンジは特に気にした様子もなく答える。
その落ち着き方が、逆にすごかった。
ことみはこっそり男たちの方を見る。
怖そうではある。
でも今のところ、ただ騒いでるだけだ。
むしろ、
(なんか漫画みたい……)
そんな感想の方が先に来てしまう。
その時、ひとりの男が大声で笑いながらジョッキを掲げた。
「宴だァ!!」
周りから笑い声が上がる。
店の空気は少し荒っぽいのに、妙に活気があった。
ことみはその様子を見ながら、少しだけ笑ってしまう。
「……なんかすごいですね」
「今さら何回目だよ、それ」
サンジが呆れたみたいに笑う。
でもその声は、どこか楽しそうだった。