第5章 恋愛の三種の神器を語っていたら目の前の男が全部持ってた話②
「脱がしてええ?」
「聞かないでよ」
「脱がして、って可愛く言うてくれてもええで」
「バカ!」
楽しそうに笑いながら私の服も下着も全部剥ぎ取るスピード感たるや。加えてゆっくり視線を上から下まで動かすものだから堪らなくなる。
両手で顔を覆ってそれだけじゃまだ不安で瞼をぎゅっと閉じるけど、隠すなよ、低い声が耳のすぐ傍で聞こえた途端、腕を掴まれ簡単にシーツに縫い付けられた。
「俺がこれから何するか、ちゃんと見とって」
「やだよ」
「顔真っ赤やな」
「うるさい」
「かわええなぁは」
ずっと友達だと思ってたし、これからもそうだと思ってた。男女の友情は普通に成立するものだと、たったの数時間前までは信じて疑わなかった。
それなのに、欲を纏った声色でそんなことを言われてしまったら、私のことが大好きだと笑った治を肯定したくなってしまう。
「あ、そこだめっ」
「んー?」
「やっ、やだっ」
「さっきとおんなじ事しかしてへんで」
「んんっ、あっ」
「せやのにえらい反応ちがうやん」
体の中心をその骨張った指でつーっと降りた先、敏感な突起を擦りながら胸にも吸い付く唇。それも私をじっと見つめて。
リビングでの行為を根に持っているのか、しつこく与えられる刺激にぞくりと背筋が震えた。
唇を噛んで快楽に耐えていると、噛むなと指を這わされ、まつ毛を伏せれば俺を見ろと、この男はさっきから無理難題ばかり押し付けてくる。
「おさ、む、……も、むり、んんっ」
「なにが無理なん」
「あっ、んあっ」
「ちゃんと言うてくれな分からんなぁ」
かろうじて繋ぎ止めていた理性は彼の指でものの見事に崩れ落ちる。意地の悪い言葉とは裏腹に、私を見据える治の瞳には愛しさが宿ってることに気づいて、それが余計に拍車をかけてくる。