【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第1章 1
指を立ててピースする透を見下ろし、鼻で息を吐く。
「弱ェくせに調子乗んな。」
そう言いながらも、爆豪の目は透がソファに座る姿勢を追っていた。
だらりと力の抜けた肩、ゆるんだ表情。
普段より無防備な空気が、透の部屋にじわりと広がっている。
買ってきたビールを取り出し、プルタブを開ける。
ソファの反対側——ではなく、当然のように透の隣に腰を落とした。
肩が触れるか触れないかの間合い。
一口飲んで、横目で透を窺う。
「つまみは。」
「これいいよ、お気に入りのやつ」
生ハム、ナッツ、ビーフジャーキー、鮭とば。
様々な種類が用意してある。
「今日は飲みたい気分だったんだよね。たくさん買っちゃったから、きてくれて助かったよ。」
テーブルの上に並んだラインナップを見て、一瞬だけ目元が緩む。
「……まァ、悪くねぇな。」
褒めているのだが、声のトーンは相変わらず不機嫌そのものだった。
鮭とばに手を伸ばし、一切れ口に放り込む。
咀嚼しながらビールで流し込み、その味の組み合わせに内心満足していることは、本人だけが知っている。