【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第1章 1
「んっ…」
小さな声に反応して、歯の裏で軽く噛む。
舐め上げてから反対側にも同じように。手首を押さえていた手はいつの間にか片手だけになり、もう一方の指が残ったブラのホックを外した。
露わになった胸に顔を埋め、肌の熱さを確かめるように舌を這わせる。
心音が直に伝わってくる場所に唇を当てて、ふっと息を吐いて笑った。
「なに…」
「別に。」
とだけ返して、そのまま胸の頂を口に含んだ。吸い上げながら舌先で転がし、空いた手は脇腹を撫で下ろしていく。
跳ねる心臓の音を聞いて笑ったなんて、言うのは野暮だろう。
言ったら拗ねるだろうなとぼんやり考えながら、手を進める。
体を撫でられて透の息が漏れる。
漏れる吐息を拾うように、胸から腹へと唇を移していく。
肋骨の浮き沈みを一つひとつ確かめるようにキスを落とす。
下腹部に辿り着く頃には、黒のレースに覆われた最後の1枚が目の前にあった。布地の中央にうっすらと滲んだ色を見つけて、爆豪が顔を上げた。
赤い目のまま、口角だけが意地悪く上がる。
「もう濡れてんのか。」
人差し指の背でレースの上からそっとなぞった。
「…うるさい」
透は目を逸らす。
目を逸らした透の顔を追うように覗き込む。
「逃げんな。」
レース越しの指がゆっくりと円を描く。布が湿り気を帯びて肌に張りつき、形がくっきりと浮かび上がった。
その光景をじっと見下ろし——レースの中に指を差し入れた。直接触れると、ぬるりとした熱が指先を包む。
「——ッ、は。」
息を詰めたのは爆豪のほうだった。熱さと柔さに指が一瞬止まって、すぐに動き出す。中指の腹でゆっくりと上下に擦りながら。
「こんなになってて「うるさい」は通らねぇだろ。」
透は睨む様に爆豪を見るが、赤い顔に酒で緩んだ瞳では、何の威嚇にもならない。
その顔を見て、低く笑った。
「逆効果だっつの。」